大堀川の水辺をきれいにする会 

大堀川水質に関する柏市環境保全課との
打合せ(2008.2.15)、要旨
これまでの大堀川水質協働調査の結果を基にして、今後の対策等を柏市環境保全課と打合せいたしましたので、その要旨を報告します。

 日 時:2月15日(金) 10時〜12時30分
 場 所:環境保全課会議室
 出席者:  環境保全課: 中山、高橋、海老原 (敬称略)
        大堀川の会: 中野、木村、小林、奥村、加藤、青木
               (2008.3.15、大堀川の水辺をきれいにする会、青木記)
打合せ概要
1)協働調査の結果報告
 平成15〜18年度迄の4年間の本流・地金堀の主流中心の調査結果と19年度の支流中心の調査結果、及び特に問題と認識された水路について資料を用いて報告し市の見解を質した。

 市の説明では、以下の話があった。
(その1)
企業等の排水基準値(一覧表の提示あり)では、三勢工業団地の集合浄化施設はし尿処理装置の既設30m3/日以上に該当し、基準値はBOD60mg/L以下、SS110mg/L以下。

大堀川流域の企業は排水量が少なく基準値なしのところが多い(手賀沼流域の場合,10m3/日未満の企業は基準値なし)が、30m3/日以上500m3/日未満の一般的な企業(法で言うその他の企業)で既設基準値はBOD25mg/L以下、SS70mg/L以下。
排水基準については,水質汚濁防止法では50m3/日以上、千葉県条例では上乗せで30m3/日以上、更に印旛沼・手賀沼流域では10m3/日以上の場合に業種や設置日ごとに基準値が設けられ、手賀沼流域においては全国的にも県内でも強化されている。
 →当会から見れば基準値自体が川へ流す水としてはまだ大変甘いと言わざるを得ない。
   
(その2)
企業排水の水質測定値の報告義務はなく立ち入り検査でしか分からないが、環境法規のすべてがこうなっている。立ち入り検査時の自主測定結果において基準を超えるものは出ていない。
(その3)
問題の地金堀花卉卸売市場前水路及び靴卸売センター傍支流の源は主として住宅の家庭排水であるがこの地域は下水道地域に該当する。柏市の市街化区域はすべて下水道へつなぐことを対策とする下水道地域であり合併浄化槽の設置は進まないのが実情である。
(その4)
靴卸売センター傍へ来る水路は汚かったため以前市で浄化施設を作ったが、浄化材の浄化効果についての試験が終了したため施設は終了した。しかし、水路排水は16号線東で下水道に入れるようにしたので現在は地金堀には入っていない。

2)今後の調査・対策についての意見交換
@水質不良水路の継続的調査と汚水源対策
会)問題水路を市として継続調査し対策につなげていくことを要望したい。
 また、問題地域に地域浄化施設を導入することも検討してほしい。
市)市の基本対策は下水道整備であり、その他の調査や対策は下水道整備までの時間や費用対効果を含めて検討しないと目的を見出しにくい。下水道地域外である市街化調整区域でなら意味があるということになる。なお、現在市が実施している水質調査地点は、大堀川では北柏橋(県の測定計画分)と根戸新田、青葉橋の3箇所。
会)下水道整備というがこれまでの状況を見ればまだ何十年もかかる話で、この間汚いところは放りっぱなしということになりこれでは納得できない。下水道へ全部つないでいくと河川の水源はなくなり河川の浄化作用もなくなってしまうという問題もある。
 市と市民が協働して何らかの成果を出すことが出来ないだろうか。汚い箇所を早く下水道につなげるためにも調査は必要ではないか。当会としても協力できることはするので是非考えて欲しい。
また、これまでに行った下水道整備以外の市の対策事例を教えていただきたい。
市)下水道政策が万全という訳ではないが政策上それ以外の対処は難しいのが現状である。
これまでの対策事例は後日報告する。大堀川の会が協力してくれることを前提に調査地点は再検討してみる。

A家庭の浄化槽対策
会)現状では河川水質に対する家庭排水浄化槽の影響は大きい。市としてどのように管理されているかの実態調査やきちんとした管理を呼びかけるキャンペーンをやってほしい。
市)平成12年以降は合併浄化槽のみの製造となり、現在浄化槽を新設する場合は合併浄化槽のみとなっているが、現在はまだ大部分が単独浄化槽である。大堀川流域の市街化区域は下水道地域であり下水道普及活動と矛盾してしまうので単独浄化槽からの切り替えによる合併浄化槽の設置は進んでいない。
 浄化槽に対する規制は点検・清掃のみで水質の規制はない。
 中核市に移行すると浄化槽は県から市の管轄事項となるので、移行を機に管理意識高揚のキャンペーンを何らか実施したい。

B企業の排水対策
会)基準値はともかく、排水水質が少しでもよくなるように企業が目標を定めて改善する活動を進められないだろうか。市の企業で作っている環境保全協議会などを通じて働きかけが出来ないか。
市)協議会と話をしてみる。なお、工場立ち入り検査の測定値は情報公開請求をすれば、開示できるものは開示する。(窓口は情報政策課)

以上で12時30分頃になり、まだ話し合いたいことがあったが時間切れで終了となった。

下水道政策を基本とする市は、それですべて問題なしとしているわけではないがそれを超えて検討することは難しく、両者の接点を見出すところまではいかなかった。
とりあえず当会の見解は十分伝えたこと、僅かではあるが当会の要望に対応する検討を約束してくれたことで、今回の打合せは無駄ではなかったということにしたい。

以上。


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