大堀川流域に残された自然 (青木さんの記録)
このページの目次:
1.流域に残された自然 「正連寺地区」 (2007.10.17)
2.流域に残された自然 「高田みどりの広場」 (2007.12.27)
3.「柏の葉の自然環境とこれからのまちづくり」の報告
(2010.11.20)
UDCK環境フォーラム 「柏の葉の自然環境と
これからのまちづくり」の報告
2010.11.20 青木保雄
先般11月20日に「柏の葉の自然環境と街づくりを考える」フォーラムが開催され、報告者・パネラーとして小生が参加しましたので、簡単に報告します。
本フォーラムは、柏の葉における自然環境の現状認識をもとに、本地域における緑地環境形成の方向性や、その整備・管理のあり方について市民・行政・学識経験者が一緒に議論しようというものです。
小生は、これまで大堀川の会員と共に参加した柏の自然環境調査で正連寺地区には予想外に豊かな自然があることとそれがつくば沿線開発により急速に失われつつあることを知り、柏の葉の街づくり関係者にこの貴重な自然を知ってもらい幾分かでも街づくりに役立てて欲しいと考え、このフォーラム開催を働きかけ参加しました。
小生からは、調査結果とここは保全して欲しいと感じたところを率直に報告し、ディスカッションでは、特にこんぶくろ池から手賀沼へのつながりを示すこの地の水辺環境の帯が持つ意義と、大堀川の活動経験も踏まえて人と街とを結びつける要素としての「見える水」の大切さを訴えました。
東大の横張先生の「自然環境と街の共生とは」と題する講演では、廃棄された製鉄所に自然に草木が茂り動物が成育するようになったのを公園として活用している例などが紹介され、過去がどうだったかの再現でなく今手にしている自然を礎にそれを将来に向け継承すること、破壊等の過ちも含めた我々の履歴を留めた自然を用意することも未来に向けた貴重な遺産となるのではないかとの話がありました。
柏の葉キャンパスタウン構想に関わった都市環境研究所の作山氏からは、空間デザイン部会として検討した正連寺地区の歴史と自然を生かした空間形成(野馬土手や神社の社等を保全した環境整備と建物の誘導)や緑豊かで親水性の高い環境共生型調整池等のプランが紹介されました。
しかしいずれも現在施工中の土地区画整理事業に支障のない範囲でのプランニングであり、現在の水辺環境を一部でも残すというところにまで及ぶものではありませんでした。
今回を契機に柏の葉街づくり関係者との接触が出来ましたので、今後現在ある自然を街づくりにどのように生かし再生していくかの検討に加わって行きたいと考えています。簡単なことではありませんが、努力したいと思います。
なお、この日の午前中に正連寺地区見学会の案内をしましたが、大湿地帯はハンノキ等の植生が跡形もなく切り取られ整地されつつある状況を目にし、開発で仕方がないとは言え、この心なごむ風景もなくなったかと愕然とせざるを得ませんでした。
右の上下の写真がこれまでと現在を対比したものです。正連寺地区大湿地南部の大変貌 【これまで】
こんぶくろ池から続く小川が湿地帯の傍を流れる
【変貌後】
湿地帯は樹木や草が切り取られ小川を残すのみ
柏市自然調査会によって調査されている大堀川流域エリアに残された自然をこの掲示板を
使ってシリーズでお伝えしています。
今回はその第2回目「高田みどりの広場」です。右図の緑色の線で囲った部分で、高田緑
地から少し北に行ったところにある林で大部分が公有地です。
(隣に高田野鳥観察公園があります)
比較的明るい林で針葉樹と広葉樹が混在して生育しています。
林の中には千葉県の絶滅危惧種である貴重なマイズルテンナンショウ(花期5月末)とキツ リフネ(花期6月末)が見事な群落を作っています。花期にご覧になってみてください。
樹木はイヌザクラ、ウワミズザクラ、キリ等々かなり沢山の種類が見られます。
隣の野鳥観察公園には柵があって入れませんが、外から樹木と鳥を楽しむことが出来ます。
高田みどりの広場
隣にある野鳥観察公園
マイズルテンナンショウの群生(5月末)
ツルが群舞しているように見えませんか
花の跡の実(7月)
秋には真っ赤になります
キツリフネの群生(6月末)
舟を吊り下げたような形だというのですが、どうでしょうか?
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チダケサシの花
(7月)
実がついたイヌザクラ
(7月)
ナガサキアゲハ(10月)
温暖化で柏でもあちこちで見られるようになりました
柏市では昨年から自然環境調査会により、市全域を七つに分けてそれぞれの地域の自然 と動植物の調査を行っています。
そのうちのひとつが大堀川を中心とする大堀川エリアです。右図をご覧ください。
このエリアの調査には大堀川の水辺をきれいにする会の会員有志も参加しています。
大堀川エリアはほとんどが住宅で一部がビルや工場という地域ですが、調べていくとその 中にもすばらしい自然が残されていることが分かりました。その自然の状況を、この掲示板を使ってシリーズで皆さんにお伝えしていこうと思います。
第1回は「正連寺地区」です。
右図の緑色の線で囲った部分で、公設市場の北、つくばエク スプレスを囲む地金堀の源流地域です。ここはまだ畑や小川や屋敷林などの田園風景が残るところで、広大な湿地もあります。
ワタラセツリフネやヌマトラノオなどの貴重植物とトウキョウダルマガエルやメダカなどの絶 滅危惧種も生息しています。
畑と小川と屋敷林の田園風景
湿地の端を流れる小川
広大な湿地
湿地に生育するハンノキの大木
ワタラセツリフネ
ヌマトラノオ
タコノアシ
通り合わせたキジ
Copyright (C) 大堀川の水辺をきれいにする会
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