大堀川の水辺をきれいにする会

2009年度: 水質・水生生物の協働調査

2009年度の目次:
 (1)2009年度 第1回協働調査(6/30)  実施結果のまとめ
 (2)番外編: 加藤さんのシリア報告 「カッテイナ湖水浄化実験」 (7/24)
 (3)2009年度 第2回協働調査(1/16)   実施結果のまとめ
 

 参考) 2007年度に当会・青木さんが企画した仕切り直し計画


2009年度・第1回協働調査 2009/6/30(火)

実施要領の事前周知 (2009/6/4 大堀川の会 青木)
21年度の第1回目の大堀川の協働調査を下記の通り行いますのでよろしくお願い致します。

調査対象:
前回同様調査地点は本流系は高田三勢の支流及び地金堀との合流点付近主流、地金堀系は正連寺地区上流部です。
本流系は水質と地金堀合流後での水性生物の調査、地金堀系は水質の調査のみ行います。

日 時6月30日(火)9時30分〜12時、雨天の場合の予備日は7月7日(火)
集 合:本流系は地図No.33地点(付近駐車可)、地金堀系は田中中学校裏門前、9時30分までに。
雨天対応小雨なら決行とします。前日の状況により中止する場合は前日中にご連絡します。 

参加予定6月30日に参加見込みの方々を記載します。
 本流系: 会員は中野(班長)、奥村、山口、高橋、尾曲、その他。
        他に柏市環境保全課、千葉県湖沼浄化対策室の方計5名程度
 地金堀系: 会員は青木(班長)、志茂、木村、鈴木、湯原、芝原、今西、その他
        他に柏市環境保全協議会の方2〜3名

 ※都合悪い方、上記以外で参加できる方青木までご連絡下さい。最終調整します。

水質調査項目: 野帳記載の全項目と測定できる箇所の水量。 

参加者の業務分担
 調査のリーダー役:本流系は中野さん、地金堀系は青木。
 調査用具の運搬:本流系は柏市環境保全課の方、地金堀系は青木。
 記録:専任者を決めて実施。 
 写真:担当者がデジカメで調査地点の全景や状況、測定の様子など撮影。
 測定:記録係以外の方全員で分担。測定項目毎に出来るだけ担当者を固定した方がベターです。

水質測定上の留意事項
(1)2〜3地点の水を1箇所に集めて測定するのがよいでしょう(採水運搬用ポリビン用意)が、測定が入り混じらない対処をして下さい。まずサブ記録紙に記入してから記録紙に転記すると間違いがありません。
(2)測定は丁寧に行ってください。予想外の数字が出た場合は必ず再測定してください。
(3)野帳記載の測定項目の他に水量を測定してください(川幅及び3箇所の流速と水深を測って算出)。無理な所は測定しなくて結構です。本流系は胴長が必要です。
(4)パックテストは、水温による測定時間の補正を行う、吸水後パックを良く振って薬品を充分溶かす、パックを手で持たず日陰に置くなどの注意点を守り、比色の際は対応標準色の下の数字を読んでください。 

水生生物調査要領
 
(川底や川岸に棲んでいる生物を調べることで川の水質等級を判断する調査です)
(5)本流系で調査しますが、地金堀系の参加者もできるだけ一緒に調査できるようにしてください。
(6)川の中にある石の下流に網を置き石のいくつかを静かに取り上げ、石を取り上げた跡の川底を足でかき混ぜ流れてくる生物を網で受けます。これらを水を張ったバットに入れて石の表面にいる生物や網の中の生物をピンセットなどで捕まえます。胴長が必要です。
(7)捉えた生物を図鑑と対比して名前を調べ、アルコールの入ったビンに入れて提出します。

その他
両系統の参加者は最後に”アサヒ飲料跡地”裏で合流し、相互のデータ確認等を行います
測定地点1(昨年と同様): (1)本流系高田三勢地区支流、(2)地金堀との合流点付近
(1)本流系高田三勢地区支流: 
   ・水量測定出来そうな箇所はNo.32、34、35
   ・No.31は調整池西側の空き地を奥へ入っていくと到達する
   ・No.31、No.33は高いところから長い紐つきのビンで採水する 
(2)地金堀との合流点付近: ※ここで生物調査を実施
   ・これまでと同じNo.9-1合流前本流、No.9-2地金堀出口、No.10合流後の3地点。
   ・水生生物調査(川底や川岸に棲む底生生物を採取、判定)はNo.10合流後地点で行う。

測定地点2(No.49追加): 地金堀系正連寺地区上流部
   ・No.46へは南側道路の工事現場入り口から入る。
   ・No.46、47、48は高いところから紐付のビンで採水する。
実施結果:     調査記録+調査データ詳細のレポート(PDF版)はこちらです!
                2003〜2009年度の大堀川協働調査の結果要約(PDF)
 時々小雨が降る中で、従来同様上流の支流を中心に自然水が雑排水と混じって変化する様子を調査した。参加者は市環境保全課2名、市環境保全協議会2名、大堀川の会11名、合計15名。
1.調査地点 
本流系: 高田三勢地区支流のNo.31〜35の5ヶ所と、
      地金堀合流点付近のNo.9-1、9-2、10の3ヶ所。(従来同様)
地金堀系: 正連寺地区上流部のNo.41〜49(45除く)の8ヶ所。(No.49追加)
2.結果概要
(1)本流系
今回の支流(天神前樋管)は全体に昨年6月と同様CODが従来より低くひどく汚れたところはなかったが、朝まで降り続いていた雨で希釈されたことも考えられる。
地金堀との合流点付近の主流は大体従来範囲の水質であった。
(2)地金堀系
地金堀系は上流ではほぼ従来並、従来水質が悪く前回の21年1月に良化を見た公設市場傍水路はCOD10と、ここでは良好の部類、降水の影響もあるのではと思われるがどうだろうか。但し硝酸性窒素は高かった。
こんぶくろ池に関しては、今回は採水を濁らせないよう十分注意を払いパックテストも多人数で確認しつつ行ったが、CODは10と従来同様やはり低くはなかった。(21年3月のワーキングで、環境研究センターが持ち帰って測定した結果はCODが1〜2だったとの報告があったが、納得しかねる状況である。)
追加測定した松葉町7丁目靴卸売センター傍の支流はCOD20と以前測定していた頃と同様良くなかった。
今回の電気伝導率は両系統共に全体に低く場所による差が少なかった。降水の影響か、計器は大丈夫か?
(3)本流地金堀合流地点で確認した水性生物
ユスリカ、ヒル、サカマキガイ等の他スジエビ゙もあり、水質等級はU〜W?。


公設市場付近での調査

無事終了して集合写真


番外編:加藤さんのシリア報告
「カッテイナ湖での水浄化実験」
 2009/7/24

カッテイナ湖水浄化実験:  2009/7/24  JICA SV:加藤 哲男
序:
カッテイーナ湖はかってきれいで魚も沢山いたという。現在は黄緑色が濃く不透明で魚も少ないという。(写真右)

この水を浄化できれば魚資源の復活及び環境改善ができるのではないかとの目論見の為、下記の実験を行った。
結論:
湖水及び川の懸濁物質は凝集剤で取り除く事ができることは分かった。
然しながら、懸濁物質の発生源が湖自体と察せられたので目論見と違って湖の浄化は困難と考える。今後発生源が特定できれば対策を考える。
結論に至る理由:
懸濁物質の本体は浮遊性単細胞緑藻(植物プランクトン)と推定する。
その緑藻は湖上流から存在し、下流で更に濃くなる。緑藻の発生源は水中の栄養源(普通は主としてりん)である。燐酸態燐の濃度は高くない(測定限度(0.017ppm)以下)にも拘わらず緑藻が発生している。従って緑藻発生を抑える手段を私は知らない。
実験の部
実験: 凝集剤による透明化
塩化第2鉄を100ppm添加した場合懸濁物質は全て沈殿し透明な上澄み液が得られた。
(表1、写真右)

沈殿物は布濾過可能で、圧縮脱水後、固形物濃度は15%程となった。上澄み液は透明度、CODが大幅に改善し、「きれいな水」になった。


 表1: 湖水を塩化第2鉄で処理した場合の分析値
- Ref..non-treated down lake Non-treated upper lake Treated (expl6)
Appearance Turbid Turbid transparent
Transparency 3cm 5cm >30cm
Absorbency 420nm 0.608 0.409 0.047
pH 8.40 8.61 6.40
COD(Cr.)ppm 53 9.9 10.0
Phosphor as H3PO4(ppm) 0.033 Less than limit  (<0.016) Less than limit  (<0.016)
汚染源の追求:
1. 湖の下流に肥料工場があり、地元民はここが汚染源であると言う。然らば上流は濁っていない筈との期待の元に 8km上流(Algasahnye町)の水を採取、分析したところ、透視度は5cmと非常に悪かった。然しCOD 9.9ppm、燐酸態燐 0.016ppm以下と悪くない値であった。
  (表1の”Non-treated upper lake”)
2. 次に湖から流出する川の状態を観察したところ、始まり部は緑一色であるが徐々に家庭排水が入り込み、15km下流ではすっかり泥色となり、りん濃度は測定限度以上となった。然しCOD 53ppm、透視度13cmと懸濁物質は減少していた。
  (表2の”川下流15km”)
考察:
1. 懸濁物質発生(原因)場所の特定ができなくなった(流入川、家庭排水、工場排水)ので、浄化すべき対象が一点として定まらずこれ以上の追求ができなくなった。
2. 湖水の燐酸態燐濃度が0.016ppm以下と非常に低いにも拘わらず緑藻が繁茂するのであろうか? この点は更に追求したい。

参考:
1. PAC(ポリ塩化アルミニウム)による凝集試験
   (右の写真)
左からPAC濃度40、20、10、5、2.5ppm。
濃度の低いほうが沈殿物はよく締まっている。
2.湖の上流から下流15km地点までの様子(表2、写真)
流入する川(al-aasi川)は清流である。
湖に至り緑藻(と推定)により透明度が無くなり緑色となり、更に流下するにつれ家庭排水が入り泥色と変化している。

流入する川(al-aasi川)

カッテーナ湖から流出する川
(オロンテス川始点)
オロンテス川
始点より1km

オロンテス川始点より
15km下流

 表2: カッテーナ湖前後の水質
- 流入川
(al aassi)
湖上流 湖出口の川 川下流15km
外観 非常にきれい 青緑懸濁 緑懸濁大 泥色、下水臭
透視度(cm) 1m以上
(推定)
13
吸光度(420nm) 9.9 限度(0.07)
以下
0.17
COD(Cr) 52 53 53
燐酸態燐(ppm) 0.66以上 0.66以上
pH 8.61 8.40 7.55


2009年度・第2回協働調査 2010/1/16(土)

実施要領の事前周知 (2009/12/3 大堀川の会 青木)
21年度の第2回目の大堀川の協働調査を下記の通り行いますのでよろしくお願い致します。

調査対象:
前回同様、調査地点は本流系は高田三勢の支流及び地金堀との合流点前後の主流と地金堀出口、地金堀系は正連寺地区上流部です。
本流系・地金堀系共に水質の調査のみ行います。

日 時:  1月16日(土)9時30分〜12時、雨天の場合の予備日は1月23日(土)
集 合: 本流系は地図No.33地点(三勢の森入口付近)に、
       地金堀系は田中中学校裏門前に、それぞれ9時30分までに。
雨天対応小雨なら決行とします。前日の状況により中止する場合は前日中にご連絡します。 

参加予定
 本流系: 会員は高橋(班長)、河井、高田、堤田、奥村、山口、尾曲、高鹿その他。
        他に柏市環境保全課の方等2〜3名。
 地金堀系: 会員は青木(班長)、木村、志茂、鈴木、湯原、今西、芝原、船田、その他
        他に柏市環境保全協議会の方等2〜3名。
 ※都合悪い方、参加できる方青木までご連絡下さい。最終調整します。

水質調査項目: 野帳記載の全項目と測定できる箇所の水量。 

参加者の業務分担
 調査のリーダー役: 本流系は高橋さん、地金堀系は青木。
 調査用具の運搬: 本流系は柏市環境保全課の方、地金堀系は青木。
 記録: 専任者を決めて実施。 
 写真: デジカメで測定の様子など撮影(本流系は河井さんよろしく)。
 測定: 記録係以外の方全員で分担。
      測定項目毎に出来るだけ担当者を固定した方がベターです。

水質測定上の留意事項
(1)採水地点が散らばるので2〜3地点の水を1箇所でまとめて測定するのがよいでしょう(採水運搬用ポリビン用意)。但し各地点の測定が入り混じらない対処が必要です。
 水試料毎にサブ記録紙を置き、テストパックをその上に並べ測定者が結果をその紙に記録しそれらを正規記録紙に転記する、ようにして下さい。
(2)測定は丁寧に行ってください。予想外の数字が出た場合は必ず再測定してください。
(3)野帳記載の測定項目の他に水量を測定してください(川幅及び3箇所の流速と水深を測って算出)。無理な所は測定しなくて結構です。本流系は胴長が必要です。
(4)パックテストは、水温による測定時間の補正を必ず行う、吸水後パックを良く振って薬品を充分溶かす、パックを手で持たず日陰に置く(暖めない)などの注意点を守ってください。
(5)パックテストの比色の際は、パックを必ず比色表の白紙の部分に置いて標準色と比較し、対応する標準色の下の数値を読んでください。(下が物質濃度、上はイオン濃度)
(6)透視度測定は、日陰で行い二重十字マークの中側がはっきり見える水面の高さを測ってください。
その他:
両系統の参加者は最後にアサヒ飲料裏で合流し、相互のデータ確認等を行います
・終了時には用具・器材を整理し、リストと照合・確認の上返却してください。
・なお、調査方法・用具などで気のついたことがあれば、各々で事前準備をお願いします。
実施結果:    調査記録+調査データ詳細のレポート(PDF版)はこちらです!
               2007〜2009年度の大堀川協働調査の水質まとめ(Excel版)
本流系9名: 高橋(班長)、河井、堤田、奥村、山口、高鹿。柏市と千葉県等から3名。
地金堀系7名: 青木(班長)、木村、志茂、湯原、芝原、船田、他に体験参加1名。
1.調査地点 (第1回と同様) 
本流系: 高田三勢地区支流のNo.31〜35の5ヶ所と、
      地金堀合流点付近のNo.9-1、9-2、10の3ヶ所。 地図はこちらです。
地金堀系: 正連寺地区上流部のNo.41〜49(45除く)の8ヶ所。地図はこちらです。
2.結果概要
(1)本流系
最上流の機械金属工業団地横水路はCOD50、硝酸性窒素5とひどく汚く、これが影響している思われるが天神前樋管全体の水質は相変わらずの状態である。
三勢工業団地横の滲出し水の小川も森が伐採されたためか水量が極めて少なくなり、風前の灯の体である。
地金堀との合流点付近の主流は大体従来並の水質であった。
(2)地金堀系
地金堀系の上流は池と小川に氷が張り、晴天が続いたせいか水量が何時もより大分少ない感じであった。
CODは上流部だけでなく公設市場横水路や追加測定の松葉町7丁目靴卸売センター傍支流でも全体に小さく、有機物については改善傾向が定着してきたように見える。しかし硝酸性窒素が下流部で非常に高く、地金堀出口でも2mg/Lという状態(時々こういう状態がある)で、異常な流入源の存在が考えられる。


No.31工業団地付近

No.35 大堀川に入る直前

No.9,10 地金堀と本流合流地点

No.31 水路内の白いヘドロ?

No.35地点の高橋班長

No.9 バンの逃走

No.44の上流部分で

No.44近辺の「水辺の氷」

No.9 合流地点に2つの班が集合

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